Name 眞武
いつの間にかシーズンも暮れ
東京に戻ってきて2か月、もうシーズンオフとな。
年のためか年々時の流れが速くなってきていますね。
東大戦完全勝利なんてあるんやね。
今日は田島記念やったけど、標準記録調べたら10"55、ターゲットナンバー制
(定員以上に達したらランキング下位の選手は棄権待ち)
になっていてびっくりした。全盛期の石田くらいしか出られへんね。
日本GPシリーズとなってから京大特別枠ってのももうなさそう。
厚底スパイクの話題が出ていたのでこの2シーズンほどスパイク界隈を追っかけた所感をだらだらと書きます。
要は「足底にバネとか仕込めば速く走れるんじゃない?」という
昔誰もが思った内容が現実になってしまったもので、
アキレス腱の短い日本人にはピッタリなスパイクだと思っています。
つま先に厚みがあるため筋力無い人でもカーボンプレートの効果を享受できるので、
走っていてかなり楽です。
・ナイキ
マックスフライ
カーボンプレートとエアバックをつま先に搭載した奇妙な機構を持つスパイクで、
昨年の東京オリンピック決勝で全員が履いていたことで一躍有名になり、ここから大部分のスプリンターがこぞって
買いあさるようになった。スプリンター界隈外には確かに知られていなかったかも。
カーボンだけだと硬すぎるところエアバッグのクッションでたわみを持たせてしっかりバウンドさせてくれる。
走った感じボールを踏んでいるような感覚で、かなり足先のコントロールが必要だが、
反発は今までのスパイクとは全くの別物。
一部では「ドーピングスパイク」とも言われ、あのボルトも批判しているくらい高性能。
しかし、分厚い(マラソンシューズでSDするようなもの)ため、スタート頼りの選手は感覚狂いやすい。
また、つま先のエアバッグがパンクする恐れがあるため非常に壊れやすく、
下手すれば1,2か月試合でしか履かなくてもダメになるという最悪のデメリットがある。
今年夏に熱されたタータン上で走ることで樹脂が傷み、全カレ前にパンクして試合用スパイクが無いっていう事態が
頻発したらしい。万一に備え常に予備1足が欲しいくらい。
品薄、壊れやすい、高性能の3拍子揃ったことで、年3回も色違いが発売されているにも関わらず
需要に供給が全く追いついていないことで転売ヤーに目を付けられており、
ナイキストアやstepで販売開始1分で即売り切れ→メルカリで50000円とかで売られていたり、
フィッシング詐欺用の偽サイトまであったりする。片足パンクでも15000円で売れるらしい。
僕も去年たまたま入手でき、今年のSBはこの靴で出したものだが、
20~50m辺りの動きがかなり良くなった。
・アディダス
アディゼロプライムSP2
こちらはカーボンとクッションを組み合わせたスパイクで、跳ね方がマックスフライと全然違う。
純正な圧底スパイクはこちらだと思う。
世陸時にまったくPRされずに発売されたため、気づいた人しか買えなかった。
ノアライルズがこれで200m米国記録を作ったことで爆発的に人気になり、今は一切の市場から消えている。
こちらはアッパーが薄いくらいでそこまで壊れやすいわけではないため、来年次第に普及していくと思う。
・アシックス
ナイキにいつも2年ほど遅れて追随しているアシックスだが、
今年ちゃんと厚底スパイクの開発はしているようで、海外でNR樹立に一役買っているらしい。
日本では音沙汰ないが、
今は「世界大会では市販スパイクしか履いちゃダメ」というルールがあるため、そのうち公表されるだろう。
山縣がアシックス提携選手となったので、来年何かお披露目があるのではと勝手に予想している。
・ミズノ
エックスブラストネオ
3年ほど前にジオ〇〇というスパイクが全部無くなり、エックス〇〇というシリーズに変わったのだが、
これが大不評。ソールは良さそうなのだが、アッパーが固く、重いため、履いている人が大分少ない。
そのため大学以上となるとほとんど見かけない。
かろうじてクロノインクスだけ2013年モデルから変わっていないのでそれだけで生きている印象。
昨年から飯塚、金井、松下選手などにクロノインクスを厚底に改造したものを履かせていたため、
それが発売されると思っていたのだが、一般発売されたのはエックスシリーズで、
やっぱり重い。インクスの1.8倍くらい。重すぎて足先が辛い。
来年も5,6万するオーダーメイドでしか作れないもよう。
僕もその一人だが、今年ミズノのやる気の無さに失望した人はかなり多い。
10年後ミズノが短距離市場から撤退してそうに思えてきた。
おそらく来年もトップ層はナイキかアディダスに集中するだろう。
国内メーカーが見向きもされなくなっておりちょっと悲しいが、
やはり日本企業は進化に弱いのだろうか。