ロックオン・ストラトス
同じ空間を共有する事。
それそのものに、大きな意味が有るんだ。

スナイパーとして生きるには、それなりの覚悟と集中力は不可欠だった。
ターゲットを狙い撃つ時、同じ空間に違う生命の存在を感じては駄目だ…無慈悲なまでに奪い去るモノと、同類のモノを傍らに置く事は躊躇を齎すリスクが高い。

だから、俺の仕事は何時も独りだ。
それは、マイスターになってからも同じ…変わらない。
隔絶された空間で、デュナメスの母胎に護られ乍ら、敵を撃つ。
顔も知らない『誰か』の生命を奪う…余計な感情も感傷も無く、ただ葬る。

何時も、独り…だから、戦える。

それに慣れた俺にとって、共存は重圧でしかない。
―…なかった。

なのに、お前が傍らで眠る事に苦痛を感じない。
呼吸を、無意識に詰めることも無い。

これが、どんな意味か解らない程、お前は馬鹿じゃあないよな?

俺の隣りは空けておく。
ハロと一緒に待ってるから、やるべき事を成したなら…休みに来いよ。

って、伝えたかったんだがなぁ。
刹那・F・セイエイ
――……花。
あんたに教えられた数々の花。

美しいもの。
可憐なもの。
艶やかなもの。

―…強いもの。
弱い、もの…―。

俺には、それらを特別な感慨を以て視る事は出来なかった。

だが、今なら解る気がする。

触れたいと、ただ純粋に願う事を、あんたが教えてくれた。

これが、欲に溺れた傲慢さだけではないと、伝えたい。

……なのに、俺は綴る事に長けてはいないから、上手く言葉に出来ない。

イノベイターであったとしても、俺は……人間で在りたいと思う。
あんたと同じ、存在で居たい。


俺が、今も願うのは……たった一輪の、白い―花―。

儚くも、風に散る事の無い様に、俺のこの手で衛りたいと。
破壊を繰り返し、過ちを重ねた俺が、漸く見出した。

あんたこそが、俺の花。


―――鍵として、5という数を覚えておいてくれ。

___。
ライル・ディランディ
ごめん、やっぱ無理だわ。
アンタが好きだ。

どうやったって、諦められる筈がない。
アンタの横に居られるのは、俺だけ…だろ?

削除パスはアンタと俺の誕生日だ。消したきゃ消してくれ。
ヒットしたら…そうだな。
イケメン商社マンのプライドが、泣くかな?
ロックオン・ストラトス
感情は、人の心を善くも悪くも揺り動かすもんだ。

それがどんなに滑稽な事であろうと、愚鈍な姿であろうとに関わらずなぁ。

けどよ…それだから、人ってのは手を伸ばすんじゃないのかい?
求める手も有れば、差し伸べる手も在る。
繋いでみりゃあ、それぞれに温かい筈だ。

諦めさえしなければ、何時か必ずその手を掴む奴が現れる。
その手に握る未来が視える。

―…我武者羅なまでに、生きろよ?生きて、生きて、生き抜いて…やるべき事を総て成し終えたならその時は、俺の処に来るといい。

お前の、誇らしげな笑顔が見たい。


―…何時か来るその日を、俺はただ祈ってる…
ソラン・イブラヒム
今日は七夕、だったか。通信の方は日付を過ぎてしまいそうだからこれだけ…

アンタにとって、平穏無事な良い一年になりますように。
それと…出来れば、だが…来年の七夕も一緒に居られますように…

二つも願うのは欲張りな気もするが…前者だけでも叶うことを祈っている。


それから、願い事をした者の総ての願いが叶うことも、願っている。
スペース感謝。