74 三宅
文才が無い為、長文・駄文となってしまいます。セリフ等は脚色してます。
了承下さい。

>>67の通り、あのVTRにあった堤防と磯は、もろに俺の実家の近所で、島の西側にある阿古(あこ)という地域にあたります。

俺は5才まで三宅島に住んでいました。
俺の親父は女1人・男5人の6人兄弟(親父の家系は全員、霊感が半端なく強いです)の長男で、実家は、阿古で民宿をやっていて、俺の親父の姉夫婦が経営、親父(俺が5才まで)と弟(次男)が調理師をしていました。


今回、主に登場する人物です↓
・俺・ヒロ(三宅)
・妹・カナ(俺の妹)
・バアチャン(親父の姉)
・カズ(バアチャンの長男)
・ミキ(バアチャンの長女)
・島友(島の友達達)


俺は三宅島が噴火をした7年前まで、毎年夏と正月に帰省してました。
夏なんかはいつも一ヶ月くらい滞在して、夏休みのほとんどは島で過ごしてました。

これは俺が中学1年の夏休みに体験した話しです。

島に帰って一週間ほど経った頃、確か8月に入ったばっかの頃ですね。
島に台風が近づいていました。
台風が近づくと島内禁泳放送がかかる為、観光客は一切海に近寄らなくなります。
こうなると俺や親戚、島の友達達は浜に繰り出し、貸し切り状態の海を満喫します。
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(F900iC/FOMA)
75 三宅
前述のあの堤防は、阿古港に隣接する灯台がある場所で、磯は阿古で唯一遊泳ができる錆ヶ浜(さびがはま)という浜辺の岩場になります。
堤防と錆ヶ浜は距離にして、200メートルくらいしか離れていません。
つまり、堤防に居れば浜辺が見えて、浜辺に居れば堤防が見えるといった感じです。

高波に巻かれたりして一気に沖に連れて行かれるのが楽しくて、台風が接近した際の海は俺達にとってパラダイスみたいでした。

その日も俺や妹、従兄弟のカズにミキ、島の友達達と昼から時間を忘れて、ずっと泳ぎ続けてました。
日も傾きはじめた頃、従兄弟(バアチャンの長男)のカズが「そろそろ上がろうか」と言ってきます。「もうそんな時間か」と皆、浜に上がりはじめ、談笑しながら着替えたりしてました…。

するとカズの妹が突然…

ミキ「ねぇ!ちょっと皆!あの子達…何やってんのかな?」

と言ってきます…。ミキの指指す方を見てみると、堤防に子供2人、母親と思われる女性1人が立ってました。

カズ「何してるって釣りじゃないの?」

その堤防はクロダイやイシダイ、メジナやアジといった様々な旨い魚が釣れるので、よく釣りをしてる観光客や地元の人がいました。

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76 三宅
俺「カズ、俺らも明日釣りしようぜ!」

カズ「いいねぇ!」

ミキ「ちょっと待って!今台風なんだよ?わかってる?」

俺はドキッとしました。
台風の時の堤防は、灯台を残してほとんどが波にかぶってしまいます。
観光客はおろか、地元の人間でさえ立つどころか、近づく事すらできないのです…。
万が一、堤防に行こうとしても、高波や台風の時は入口が閉ざされてますし、無理矢理入ろうとしても波を見て足がすくんでしまう筈です。
そんな所に親子が立ってる…。

俺らがおろおろしていると、島の友達達が「おまえら何言ってんの?堤防のいったいどこに人が立ってんだよ?」と言い出しました。

カズ「あの灯台のすぐ横ん所にいるだろ?」

島友「だからいねぇーじゃんかよ(笑)」

カズ「いやいるよ!」

と、ちょっとした押し問答になった時、俺はハッとして妹を見ました。
妹は、俺らよりもちょっと離れた場所で、四つん這いの状態で嘔吐していました。

やっぱりな…。俺は妹に駆け寄りました。

俺「おい!カナ!大丈夫か?」

カナ「うん…平気…。いつもの事だから…それより早く逃げよう…あいつらもうこっちに気付いてるから…」

俺は全員の荷物を急いでまとめさせました。
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77 三宅
荷物をまとめ終わって、急いで逃げようと思ってチラッと堤防を見た瞬間、あの親子がいきなり海に足から飛び込みました。


俺「おい!急げ!逃げるぞ!」

俺と妹と従兄弟は、猛ダッシュ。それを見た島の友達達もビビッたのか、駆け足で追っかけて来ました。
浜の出入口の階段を登り切った所で俺はふいに振り返りました…。

親子がいました…。
俺らが泳いでた所の波打ち際に…。

有り得ません。俺らが出口までかかった時間は30〜40秒くらい…。
その間に、台風が近づいてる高波の中、200メートルくらい離れた距離を泳ぐなんてオリンピック選手でも不可能です。
何より波打ち際で高波におもいっきり打たれているのにも関わらず、親子は微動だにしません。
まるで親子だけ時間が止まっているかの様に動かないのです。
でも何故か表情だけは伺う事ができて、母親はおもいっきり俺らを睨みつけていて、子供2人は笑ってました…。
俺は「やべえなぁ」と思っていると、ふいに妹が

妹「もう平気だよ。こっち来れないから」

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78 三宅
当時10才だった妹の言葉を解り易く説明すると、あの3人がどこから来たのかは解らないけど、どうやらあの海で気付いてくれる人を探してたらしく、俺と妹と従兄弟の4人を連れて行こうとしてたらしいです。

家(民宿)に帰ってる途中、ウチの方向からバアチャンが心配そうな顔で走って俺に「連れてかれなくて良かったな。カナの言う事は聞くもんだぞ。」と言って来ました…。
何で親父の家系はこう不思議な人が集まってるのか、ホント疑問です。

それから台風が過ぎ去るまで、俺は海には怖くて行けず、じっとしていました。
台風が過ぎ去って、バアチャンと車で買い物に行った時、海を見た妹が「もう泳いでも大丈夫だよ」と言ったのですが、しばらくは皆が泳いでるのを座って見てる日々が続きました。(翌年からはもう平気になりました)

この話しは以上です。

たまたま主さんが27時間テレビの事を話したので、この体験談になってしまいましたが、またいくつか書かせてもらいますね。
(F900iC/FOMA)