24 三宅
俺も体験談をひとつ、投稿させていただきます。この季節になるとつい思い出してしまう体験のうちのひとつです。

皆さんとは比べものにならないくらい長文になってしまいました(^_^;
文才が無いので読みづらいかもしれませんが、宜しかったら感想下さい。

では………
(F900iC/FOMA)
25 三宅
主さんはご存知の事かと思いますが、俺は十代の頃、かなりヤンチャしていました(^_^;
これはその頃(18才)の夏の話しです。
当時俺は、同色の衣服を身に纏い、悪さばっかする様な、所謂カラーギャングと呼ばれるチームに入っていました。(高校にも通ってましたよ)

夏休みも終わる頃の夕方、同じチームの健太(仮名)と達也(仮名)と俺で、いつもの溜まり場に行こうと俺の親父の車(デリカ)で、免許取り立ての健太に運転をさせて、達也の家に迎えに行きました。

ホントは2人共、夕方に俺ん家集合だったのですが、達也の自宅から電話(よく携帯が停まる奴だった)が掛かってきて「バイトで残業しちゃって間に合わないし風呂入りたいからウチの下まで迎えに来て」との事。
車で15分もかからない距離だし、仕方ないので、渋々俺と健太で迎えに行く事にしました。

達也の家は11階建てのマンションの最上階で、横にずんっと長いので部屋数が多く、幹線道路に繋がってる通りに建っていたので、ウチの地元ではかなり大きなものでした。

説明が下手で伝わらないかもしれませんが、マンションの裏側はかなりデカい駐車場と駐輪所になっていて、マンションの横にはその駐車輪場に行く為の居住者専用の私道があります。

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(F900iC/FOMA)
26 三宅
マンション本棟の左横(右横は何もありません)を通る感じに、その私道を30メートル程進むと、マンションを越え、右側に駐輪所が現れます。

駐輪所を越えるとすぐにL字型になっていて右折する事になります。そこを右折したら開けた駐車場に出れます。
つまりマンションの裏に駐輪場、その裏に駐車場となります。

その私道は結構道幅が広いので、いつも達也を迎えに行く時は、駐輪所の少し手前で車を停め、ウダウダと待つ事になります。


その日もいつもの場所に車を停め、俺(助手席)は達也の携帯に電話をしたのですが、案の定携帯は停まってました。自宅にかけて達也の親とかが出てくるのもウザかったので、自宅にワン切りだけして待つ事にしました。

待ってる間、健太(運転席)は買ったばっかのCDをデッキに入れ、歌詞を見ながら大音量で聴き始めたので、俺は当時付き合ってた彼女とメールをしようと座席を倒し、携帯をピコピコはじめました。

メールを打ち終わって返信を待っていると、車内がやけに寒くなって来てる事に気付きました。健太も寒かったのか、奴が冷房を弱めてくれました。

しかし、それもつかの間、いつものアレを見てしまう時の吐き気というか、胸糞悪い感覚が込み上げて来ました…。
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(F900iC/FOMA)
27 三宅
「うわぁ〜、こんな時に嫌だなぁ…」と思っていた矢先、いきなり俺が座っていた助手席側の窓が『ドンドンドンドン!』と凄い勢いと音で叩かれました。
『ドキッ』とする俺。
すると運転席に座ってる健太が「うわっ…何コイツ…」と言いました。
俺も起き上がって見てみると、年頃的に初老かと思われる異質なオバサンが立っていました。
何が異質かと言うと、服装とかはそこら辺のスーパーとかで買物してそうな格好なのですが、鼻と口から血を出していて、左右の肩の高さが明らかに違うんです。
いつもの俺達なら「キチガイババアだ!逃げろ!」と逃げ出すのですが、若かったからでしょう…割れんばかりにウチの車の窓を叩かれた事に「窓が割れてたらウチの親父に超怒られてたかも」という思いから沸々と怒りが増していき、窓を開けました…。

俺「テメェ、糞ババァ!何してくれてんだよ?」

ババア「山崎君、来た?」
(山崎とは達也の苗字)

俺「山崎?達也の事かよ?来てねーよ!ってかおまえ」と言い掛けた時…『ドンドンドンドン!』と今度は健太の座ってる運転席側の窓が凄い勢いで叩かれました。
見ると叩いたのは達也です。

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28 三宅
健太が窓を開けはじめたと同時に
俺「オイ!叩くなや!ってかおまえの知り合いだろ?何なんだよこのババァは?」
と、また助手席の方を向き直すと、ババアがいません…。

俺「?」

達也「はぁ?ってかそんな事より携帯借してくれ!」

俺「携帯?何に使うの?ってかおまえ何でそんなに焦ってんの?」

達也「今そこで人が飛び降りたんだよ!いいから早く!」

言われるがまま、手に持っていた携帯を渡すと、達也はすぐに車から離れ、救急車を呼ぼうとしていました。

ふと健太を見ると、青ざめた表情で俺の肩越しを中心にキョロキョロしてます。

俺「おい。どした?」

健太「消えた…」

俺「消えた?何が?」

健太「今のババアだよ!俺が窓開けて振り返ったらすぅっと消えたんだよ!」

俺「えっ?まさか?」

俺は忘れていました…。ババアに窓を叩かれるまでの感覚…いつも霊を見たりする直前に起こる症状です。
元々否定派(見えない)だった健太が見えていたので、てっきり霊という認識を怠っていました。

健太「あいつ、達也の事言ってなかったか?」

俺「!!」

健太「何で達也を探してたんだ?」

と話していると、電話をし終わった達也が戻って来ました。
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29 三宅
達也はひとりで戻るのが嫌だから一緒について来てくれと言いました。
不可解なものを見たばっかりだったので、ここにいるのも嫌だったので救急車が入って来れる様、車を路肩に停めて、俺達は転落現場に行くことにしました。

人が転落したのは駐輪場で、俺はグロいものが大嫌いなので、横目で確認しながらなるべく見ないようにして現場に着きました。

俺「死んでるのか?」

達也「多分な…靴履いてないから自殺だと思うけどな」

俺「おまえといると何かしらトラブルよな」

達也「俺のせいかよ」

健太「おい!三宅!」

俺「何?」

健太「死体…見てみろよ…?」

俺「嫌だよキモい」

健太「いーから!」

渋々チラッと見た後、俺は二度見した。
死んでるのはさっきのババアだった…。

達也「おまえらさっきから何なんだよ?」

事の顛末を全て達也に話しました。達也は飛び降りたババアとは面識がまったく無いみたいで、驚きを隠せないみたいでした。

健太「じゃあ何でこのババアは達也を知ってたんだ?」

達也「……」(何かを考えてるみたい)

俺「おまえ知らない内にこのババアに何かしたんじゃねーの?」

達也はいきなり語り出した。

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30 三宅
達也「俺、家出ておまえらん所に行こうとしててさ、駐輪所を歩いてたんだよ。そしたらいきなり後ろでパーンて凄い音がしてさ…」

達也が言うには、音がして振り向くと、4〜5メートル後ろにババアが仰向けに倒れてたらしく、倒れ方(足や肩といった体の所々が有り得ない形になってた事から)からして飛び降りだと思ったみたいです。

救急車が来て死亡を確認して、警察も来て達也を中心に俺達は事情を聞かれました。車の中に持っていたらイケない物がいくつか入っていたので、内心はドキドキな事情聴取でしたけど…(^_^;
勿論、車内であった事は話していません。


達也は遊ぶ気が起きないから帰ると言い出しました。俺も遊びに行く気が起きず、帰る事にしました。(健太はウチに泊まる事になりました)


しかし…事件はその後、一転します。

俺と健太が俺ん家に着いてから2〜3時間後、俺の携帯に達也の自宅から電話がかかってきました…。
普段泣くような奴じゃない健太が、泣きながら「すぐに来てくれ」と叫んで電話が切れました…。凄い焦ってたみたいなんで、俺らも急行しました。

夕方と同じ場所に車を停め、健太の自宅に電話をしましたが、一向に出ません。

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31 三宅
仕方がないので、11階の角部屋にある達也の部屋に、直接行くことにしました…。
玄関前に着いてインターホンを押しましたが、達也は出て来ません。
いよいよ本気で心配になってきて、インターホンを連打しました。
するとドアの中から「誰だ?」と達也の声がしました。

俺「三宅だよ。」

達也「他に誰かいる?」

俺「健太がいるけど?」

達也「健太以外は?」

俺「いねーよ!ってかどうしたんだよ?」

するとドアが開きました。達也が顔を出し、辺りをキョロキョロと見渡します。誰もいない事を確認したのか、俺らを部屋へ入れてくれました。

俺「親はどうした?」

達也「お盆だから俺以外は実家に帰ってるよ」

俺「そっか…で?何かあったのか?」

達也はおもむろに一通の茶封筒を渡して来ました。見ると【山崎君へ】と書いてあり、宛先も送り主も書いてありません。

俺「何これ?」

達也「おまえらと別れて帰って来たら新聞受けん所に挟まってた…」

俺「中、見るぞ?」

達也は黙って頷きます。中を見ると一枚の紙が入っていました。取り出して開いて見ると…

【山崎殺す 亜希子を返せ】という文字がびっしりと書き連なっていました。

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32 三宅
俺「何これ?悪戯?」

と、聞いた瞬間『ドンドンドンドン』と玄関を叩く音が響き渡りました…。

その瞬間、俺と健太は顔を見合わせました。

健太「この叩き方…夕方のあいつか?」

俺「ああ…そうみたいだな…」

健太「達也!てめぇふざけんなよ!シャレになんねーぞ!おい三宅、何とかしろよ!」

達也「三宅は霊が見えるんだろ?外に出て何とかしてくれよ!」

俺「無理に決まってんだろ?俺は霊媒師じゃねーんだからよ!」

しばらくすると音がピタッと止まりました…。

達也が言うには、帰って来て手紙を見てからずっとこれが繰り返されてるらしいです。
そして達也には思い当たる節があると言う。

達也は女にだらしない奴で、今回の事が起こる二ヶ月程前、16才の女の初めてを奪った上に妊娠させ、おろさせて、かねまで騙し取ったらしく、かなり酷い事をしてきたらしいです。
その子の名前が亜希子で、あのババアは、亜希子の母親だと言います…。

話しを聞いてた俺は途中から、ある事に気付いて、達也の部屋のドアを蹴り開けて2人を連れて、すぐに外に出て車に乗り込み、俺ん家に向かいました。
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33 三宅
俺が気付いた事…
達也の話しの最中、達也以外の家族は全員実家に帰ってるから誰もいないはずなのに、ずっと廊下を誰かが歩く音が聞こえたり、達也の部屋のドアノブがゆっくりと上下したりしていました。

間違いない…
あいつは玄関の外じゃなく、家の中にいる…。
ドアも外からではなく、中から叩いてたんだ…という事に気付いてしまったんです。
それに3人で玄関から外に出た時、振り返った俺は見てしまいました。
廊下にあのババアが不自然な形で立っているところを…。

達也は家族が帰って来る日までの2〜3日間、俺の家に泊めました。
その間はあのババアが現れる事はありませんでした。


以下は警察の捜査結果です。
あのババアは、達也の住む11階の廊下から飛び降りたらしく、その廊下からはサンダルと木箱に入った包丁が見つかったらしいです。
ゲソ痕は走ってそのまま飛び降りた形になってたらしく、結局のところ、警察は自殺として片付けました。

でも当然、俺達はそうは思えません。
全てひ踏まえて推測するに、散々酷い事をされた亜希子という子は、あの狂った様な手紙を見るからに、何らかの形で死んでしまったのでしょう。

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そして、全てを知ってしまった母親が、どこから調べたのか達也の家や顔を調べ上げて、たまたま俺らと遊びに行く時に殺しに来た。

しかし入れ違いになってしまい、母親が達也の家を訪れた時には既に留守だった…。
手紙を新聞受けに入れ、帰ろうとしたら、下の駐輪場に達也が歩いてるのを発見…。
狂気な為、自分が飛び降りた衝撃で殺そうという無理な思いつきで、とっさに駆け出して飛び降りてしまった…。

これはあくまでも俺個人の推測ですけどね。

達也のその後なんですけど、自宅に戻ってからひと月もしない内に、家族揃って引越してしまいました。
それ以降、何の連絡もありません…。

健太は今でもたまに会ったりしますが、あれ以降何もないみたいです。
変わった事と言ったら、霊の存在を信じる様になりました。

達也はどこで何をしてるのかは不明です。もしくはもう達也は………


以上、長文な上に駄文、連投失礼しました。

他の話しもまた書かせていただきますね(^ー^)
(F900iC/FOMA)