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(R20/悲恋)『抱いてくれて、

――ありがとうございます』

(※設定上、残虐な表現を含みます。閲覧にはご注意ください)

僕の部屋の窓からはすももの木が見えて、春になると白くて小さな花がたくさん咲きます。夏は栗鼠が時々実を食べに来て、秋になると、月明かり。冬は…そこら中真っ白です。

廊下と階段はもうすっかり古くなっていて、歩くとひどく軋むから、誰かが上がって来るとすぐに分かるんです。鼠が走り抜けるような早くて軽い足音は、女将さん。売れっ子のジェシーはいつだって泳ぐように歩く。お客さんたちは、勇ましい騎士様のように重かったり、息を潜めるように静かだったり。ひとりひとり違って、間違うこともあるけれど、今では随分当てられるようになりました。僕の部屋の前で止まることは、あんまり無いんだけど。

隅っこに蜘蛛が糸を張った、二階の廊下の、突き当たり。そこがここ、娼館『天使牧場』での僕の部屋です。

僕、ずっと待ってたんです。あなたを。分かります。だってあの時から、あなたの足音だけは間違った事がないから。
僕、あなたに伝えたい事があるんです。
僕が居なくなっちゃう前に。


****
…ええと。目を留めていただいて、ありがとうございます。
伝えなくちゃならない大事なことはたくさんあるのに、お喋りしてしまってごめんなさい。こんなだから、僕は要領が、悪いんだなぁ…女将さんには、内緒にしてくださいね。きっと怒られちゃうから。

これはお店のお約束ごとです。あなたなら見慣れているでしょうけど、でも、約束なんです。…なんでだろう?

≪条件≫(※優遇)
・裏行為を含むため、本体成人女性
・打ち切り時件名END、レス関係に寛大(一週間で相互確認が可能)
・全角200〜600ほどの中文派
・期間は完なりで一夜、貴Cが宿を後にするまで
※設定上、軽い女々要素を含んでも許せる(涙や赤面など)


≪設定≫
イメージは中〜近世欧州。城下町。(車はまだなく馬車が交通手段など、大まかな世界観のみ拝借。具体的な国はご希望があれば相談可)。
町の外れに位置する、十代の少年たちを集めた売春宿『天使牧場』。双子の老姉妹の片割れが経営するこの男娼館に、十八才以上の少年は居ない。取り分け稼ぎ頭でもない十七を越える少年は、一つ町を離れた姉妹館の『天使農場』へと送られてしまうからだ。
見目はそれなりなもの客あしらいの要領も悪く性技巧にも優れず、おまけにどこか抜けている当Cは所謂落ちこぼれ。世辞にも売れているとは言えないが、貴Cは唯一、よく通って来てくれていた。


≪募集PC様≫
当Cに片想われてくださる、成人男性客
※男性的な体格、高身長
※完全無欠ではなく、どこか脆い部分のあるC様
[返信について]
お相手様に四日以内。ご応募くださった方には何かしらの形でお礼致します。
≪萌萎≫
・萌/可:日常会話、甘〜切なめ、シリアス、ほのぼの〜ギャグ、ハグ、キス、些細なスキンシップ、精神的なつながり、体格差、堅物〜粗野、裏、ノーマル〜アブノーマル、多種喘ぎ、多R、露骨表現、ロル内擬音/サブアド(xx、e箱)、間接表現(不慣れで宜しければ合わせます)、即ムラレス、二十四時間受信、半での設定変更や展開の打ち合わせ
・萎/不可:返信に困る短文、漢文、過度の確定ロル、会話受け身、PL口調、音信不通

≪プロフィール≫
ルル
(ルルド・マシュー)
171cm/53kg/17歳

少年らしく切られていたもの手入れ不足で伸びてしまったマッシュルーム型の、柔く癖のある色みの薄い金髪は女将の手により無理に染められたもの。前髪は同様、眉下にかかる。白色人種の肌。
凹凸の少ないなめらかな輪郭、主張しない細眉に、大人しそうに垂れた、大きめの虹彩を持つ犬のような目。鮮やかなコバルトブルーの瞳からは表情が分かりやすい。さほど高さのない鼻筋はほっそりとして、懐っこく動く標準的な唇から揃った歯が覗く。誰もが振り返る程の美を持つ少年とは言えないが、相応の愛嬌を宿した面差し。
やせ形で多少骨に目が行くものすらと手足の長い、柔らかくばねに富むしなやかな体つき。しかし年頃だけに、青年に近付きつつあるいびつな堅さは否めない。同年代では標準的な背丈は低年齢を中心とした娼館の中では最も高い。
胸元が革紐で結ばれた生なりの麻のシャツ、緩やかにシルエットの膨らんだ膝丈の黒いズボン、鞣し革の靴を与えられているが、はみ出してしまう踵を嫌い裸足でいる事が多い。

特に名も無い商家の出で、家業の傾きにより一家離散してからは十二の頃から『天使牧場』で客をとって暮らしている。
遅い変声期で少しかすれた、高さの残る声ののんびりとした語り口にそのまま表れる穏和な性格。自身の境遇も静観して受け入れているが性行為には積極的になれず、かと言ってねじ伏せたくなるほど反抗的でもなく、中途半端さを退屈と捉えられて客足は遠い。頭は良くなく、妙に素直なところがあり、仕事を割り切らない空気の読めなさから時に客を怒らせてしまうところも不人気の一因と言える。女将には厄介者扱いで、折檻を食らう事もしばしば。同僚の少年たちからは小馬鹿にされ下に見られている。夕餉のスープの具が薄いのが悩みの種。
恋心から貴Cに対する接客は密かに人一倍努力しているためか、唯一途切れない客足は娼館の七不思議だと揶揄されている。

貴Cへの思いを打ち明けるつもりはまるでなかったが、年齢と不人気を理由に『天使農場』に移される事をきっかけに片鱗を伝える事を決意した。女将からは楽園だと聞かされる『天使農場』の内情には、仲の良かった先輩男娼に手紙を書いても一度も戻らなかった事から、薄々と勘づいている。
[返信について]
同上
*『天使農場』(背景設定のみで描写に出す予定はありません/希望あれば描写可)
ローティーンを集めた『天使牧場』と対照的に、身体の出来上がった、ハイティーンから二十代を中心とした売れ残りから訳ありの青少年を揃えた隣町の売春宿。同じく女将姉妹の片割れが経営するが、比較的安宿の『牧場』と違い、こちらは富裕層向け。しかし環境は劣悪。
金さえ払えば殺してもいいと突き放した拝金主義を売りとし、抜歯から切断、肉体破壊まで猟奇行為が平然と罷り通る。行為中に死亡したり精神崩壊を起こす青年も珍しくないが、「商品維持」として与えられる麻薬により廃人状態で生きながらえているのが殆ど。発狂した青年が薬欲しさにかつての弟を斧で叩き殺す凄惨さすら、ここでは見せしめと余興の一つとして扱われる。
経営は非合法すれすれを通り越したものであるも、出入り客の質ゆえかルートは固く守られており手入れは入っていない。


≪応募時≫
プロフィール(詳細、持ち込み設定歓迎)
当Cを指名する理由
萌萎(省略不可)、受信可能な時間帯
質問、要望があれば
接触ロール(夜、大通りを外れた花街の隅に位置する煤けた赤煉瓦造りの古宿。腰の曲がった女将に前金を払い、いつものように当Cの部屋を訪れたところから)


****
ここまで読んでくださって、嬉しいです。
僕は「落ちこぼれ」だそうですから、あなたに会えるまできっと凄く時間がかかると思います。
でもちゃんと待ってますから、いつでも、お便りをください。僕、きちんと返します。

あなたに触れてもらう時は、いつも身体中が心臓になったみたいに熱くなって苦しくなって、それから、それが、なんだかとても幸せな事なんだって気づくんです。
だから…、僕を、抱いてくれてありがとうございます。そう、伝えさせていただけませんか。
[返信について]
同上