83 Sieg
その手残る湿り信じ馬鹿な償い無駄な弔い
きっとすべて通り過ぎるなにもなにも残らぬ
すべて無から生まれ落ちた最後覆うものも黒に
そんなこともわからないでそんなことも気づかず
死ぬと感じ死ぬと見つめ逃げて迷い先を巡り
生きて感じ生きて見つめ生きて生きて死につく
恐い寒いだるい熱い心体なにもかもが
毟る叫ぶ殴る跳ねる叩き潰す粉々
俺の中に何か残るそんなはずは無いが残る
誰も入り込めはしないなのに誰か残ってる
何も見えはしないはずが何か見えるそんなはずは
消えてしまうはずが無いと信じだから幻
スっと引いてスっと消えてとても静か恐いほどに
刺さる棘が流れ震え増えて増えて突き刺す
何故か何故か痛い痛い我慢できぬほどに痛い
爪が剥げて指が割れて血が流れて溜まってる
すべて無から生まれ落ちた最後覆うものも黒に
そんな事も分らないでそんな事も気づかず
すべて無から生れ落ちた最後覆うものも黒に
たぶんきっとそれに俺は気づく事を避けてた
(CA003/au)