5 虎徹◆suow
こんな話がある。

深夜、眠っていたA君は布団の上に異様な重みを感じて目を覚ました。
恐る恐る瞼を開け自分の胸元に目をやると、そこには青白い顔でA君を睨みつける見知らぬ老婆がいた。
この世のものではない。
A君はそれを瞬時に理解し、勇気を振り絞りやっとの思いで
「やめて…」
それだけ呟けた。
するとA君の上から老婆は消え、部屋を包んでいた異様な空気も消えて無くなった。
それでも尚、恐怖の消えなかったA君は急いで両親の眠る寝室に向かい、勢いよくドアを開けた。



お母さんの上にはお父さんが乗っていた。
(EZ)