1 才牙

会話

会話
100 マリーン
「幸せね」
「ああ、そうだね」
天国で我らは再び結ばれそばに居た。
そんなある日

我らは水槽の中のボスの死を知った。


ああ、彼も我達のところに来るのかなぁ


99 マリーン
我達は子を産んだ。何匹も何匹も。そして時が過ぎ我は彼女をヒレ長の死を見送った。
「先に行って待って居るわね」
我は彼女の子が大人となり巣立つ様を何度も何度も見届けた。
そして次第に動きが衰え、彼女の元へ行った。
最期テトラポットとやらに入ったボスを見届けながら。
98 マリーン
と、彼ボスはなんとひれ長の下に入り、くるくると何度も回っていた。
彼は彼女に一目惚れしたらしい。
すると彼女は顎を上にあげてこう言った。
「貴方好みじゃないわ。」
するとボスは激高し、ヒレ長にぶつかろうとばかりの勢いで突進してきた。
「なんだよ。お前なんてこうだ」
ボスはヒレ長を執拗に追いかけ突進しようとした。
見かねた我は彼を止めようと割って入った。
「男らしい素敵」
我は気付くと彼女の下に入りくるくると回っていた。
すると彼女は顔を下に下げ我を受けいれた。
それを見たボスはさらに怒り、我たちを攻撃しようとした。
すると主がそれを見て一言。
「これはヤバイテトラポット持ってこなきゃ」
と言って囲いを持ってボスを入れた。
かくしてボスは隔離され、我達は晴れてカップルとなった
97 マリーン
しかしこのような戦いが続くとどんどん疲れが溜まって来る。ボスは勢いを止めようとはしない。
我が疲弊しきった時、又ポチャンと水音が響いた。
見るとそこにはとても美しいメスのメダカが居た。ヒレの長い、綺麗なメダカだ。
我は彼女をヒレ長と呼ぶことにする。
我は彼女にピッタリと動きを止め、彼女を見た。
美しい。
すると、ボスも動きを止めている
96 マリーン
我は1匹で自由に水の中を泳いでいた。

主は気まぐれな方で、その日その日の気分で餌の量が変わる。

ある日は餌の量が多かった。

主は少し不機嫌だった。

我を殺す気か

またある日は、えさの量が少なかった。

我を餓死させる気か。

そんな日が刻々と続き。

ある日ぽちゃんと水音が聞こえ、気づくと1匹のオスのメダカがいた。元気なくゆらゆらと泳いでいる。
しかし時経てば溌剌として来て、気付くと我を睨んでいた。
彼は言った
「ここは俺の縄張りだ」
先住者である我にその態度は何だ
彼は我を追いかけてきた。我は逃げた彼は気性が荒い。
これから彼のことはボスと呼ぶ事にする。
95 マリーン
みたい?