「食べてすぐ寝ると牛になる」という言葉がある。この言葉の意味を皆は「食べてすぐ寝ると牛のように太る」だと思っているようだ。私もつい最近までそう思っていた。しかし、実の意味はそうではなかったのだ。
これは東北地方のある地図上から消えた村の話から始まる。
その村では飢餓が続き、食べるものが無く飢餓で死んだ者の死体をあさることもしばしばだったという。そして、本当に食料が無いと村人から生贄を選び牛の頭骨を被せ、これは人間ではなく牛だ。そう思って食べていた。
つまり、村人の中には食料が無いと言ってもそれなりに食べる者もいたのだろう。そんな食べて比較的太っていた村人が選ばれて生贄になったのだ。食べて太り、しかも腹が減らないように寝ている。そして、牛の頭を被って殺されなければならないので食べた後は寝るなと言う意味からこんな言葉が生れたのだ。
これは、この旧村辺りの地元郷土史家が資料を持っていたので間違い無いようだ。