65 キー坊◆Uaaa
バイスシティは今日も相変わらず、天気だけはご機嫌だ。
オーシャンビューの窓から浜辺を眺めると、水着姿の女達が日光浴をしている。
リゾート地と呼ぶには些か物騒な街だが、このせっかくのロケーションだ。楽しまなくてはお気に入りのアロハも泣いてしまう。
決めた。
今日は海沿いにドライブにでも出よう。日焼けでもしなきゃ湿気ちまう。
依頼のメモをスーツに仕舞い、アロハを着てオープンカーに乗り込む。
wave103から軽快な音楽が流れてくる。猛烈な陽射しに汗が滲む。ざらついた潮風が妙に心地よい。
そういえば、バイスポイントに空き家があったな。ここには暫く厄介になりそうだ。いつまでもホテル暮らしってのもなんだからな、ドライブがてら見に行ってみるか。
(EZ)
66 キー坊◆Uaaa
…迷った。

曖昧な記憶を頼ったのが間違いだった。ウロウロしているうちに日が暮れ、見ず知らずの土地で迷子になっちまった。
ただ、収穫もあった。
スタジアム近くのオープンテラスにアイテムが落ちていた。今まで見たことのないアイテムだ。
見た目は…電動ハブラシ?
武器ウインドゥのシルエットは、まごの手。
鬱憤晴らしに使ってみるか。
投げた電動ハブラシは、壁にぶつかり足元へ。
俺、炎上。

 
 

火炎瓶か。


身体中黒コゲになった俺は、運ばれた病院の窓から海辺を見る。
バイスシティの太陽は今日も眩しい。

「焼き過ぎたな…」

チャンチャン。
(EZ)