62 キー坊◆Uaaa
なぜだろう。
今日こそは、今日こそはヤツの依頼を遂行しようと、気合い一発オーシャンビューのドアを蹴り開けたのに。
なぜ俺は今日も、サツの45口径の銃弾を身体中に受け、病院の天井を見上げているのだろう。
そうだ。
きっかけは、巡回中のパトカーにちょっと擦っただけの些細な話。
ただそれだけの話だ。
それがサツの野郎、鬼の形相で殴りかかってきやがって。
どうせヤツら俺が目障りで、ここぞとばかりにしょっぴいてやろうとしてやがったんだ。
そのくせ、2〜3発喰らわしてやったら簡単にのびちまいやがる。
今思えば、それがヤツらの手口だったってワケだ。
次から次へ申し合わせたようにワラワラと湧いてきやがって。
こっちも負けじと応戦すると、出るわ出るわ。ヘリに特殊車輌、挙句にSWAT!
バイスシティの空はこんなに快晴なのに、俺の周りは鉛の雨だ。頭の中で「have you ever scene the rain」が流れてるぜ。
そんなワケで、今日も俺は病院の天井を見上げている。
いい加減ウンザリしている受付嬢に会釈して、俺は病院を出た。
首尾よく銃と足を手に入れ、向かう先は警察署。俺が退院祝いをくれてやる。
今日も、依頼はこなせそうにない。
(EZ)