53 ひよっこ暗部
>>52つづき。
末吉は、来る日も来る日も死の恐怖に怯えていた。
自分は明日死ぬかもしれない…。彼の脳裏には、そんな悪い考えしか浮かばなかった。
そうこうしながら、幾日か時が過ぎた。
ある日彼は、激しい腹痛に目を覚ました。
いつにも増して痛む腹を押さえて、トイレへと向かった。
トイレへ向かう途中、いよいよ意識が朦朧として来た。額からは、冷や汗が滝の様に吹き出している。
末吉『自分はもう此処までかもしれん…』
末吉がそう思った時、目の前に眩い光が差し込んだ。
朦朧とする意識の中、末吉は確かにその目で見た…。
光の中から、コチラに向かって手を差し延べる、白い服を身に纏った女性の姿を。
末吉『あぁ…やっと迎えが来たか…』
末吉はそう思うと、意識を失った…。
つづく。
(W21T/au)