23 餓鬼
22の続き
また時が過ぎたある日、彼はようやく帰ってきました。そして川の流れをせき止めるため、柱の中へと入りました。生きている間は毎朝鈴を鳴らしてくれと頼まれた彼は、毎朝鈴を鳴らし続けました。しかし、数日後、ついにその鈴の音は鳴らなくなってしまいました。彼が柱に入ったおかげで、富士川の氾濫はしだいにおさまってきました。人々は彼を、『かりがね堤の人柱』と祭り、今でも年に一度祭りが行われています。(完)
(N700i/FOMA)