17 オカルト
>>16
マサオの耳には、そんなお婆さんの言葉など入る筈もなかった。
一目散に逃げようとするマサオの腕を、お婆さんの手が掴んだ。同時に猫の死体が地面に落ちビチャッ…と言う嫌な音を起てた。
お婆さんは物凄い力で腕を掴み、言った「今日は、危ないからね。お婆ちゃんの家に泊まっといで」マサオの腕はミシミシと音を起てている。
血走ったお婆さんの目に、マサオの知っているお婆さんの姿はなかった。
マサオは渾身の力で腕を振り切り、飛ぶように逃げ出した。
雨がマサオの体を叩く。お婆さんが、追ってくる気配は無かった。
(EZ)
18 オカルト
>>17
マサオは泣きながら走った。激しく降り頻る雨はアスファルトを叩き、ザーザーと鳴り響いている。マサオはまるで、この世界に独り取り残された様な気分になった。
マサオが家に帰ると、何故か玄関の鍵は空いていた。
マサオはすぐさま、鍵を閉め。崩れる様に玄関に座り込んだ。
しばらくして、落ち着きを取り戻すと先程の恐怖が込み上げて来ると同時に疑問が浮かんで来た。
お婆さんが?そんなまさか?マサオは信じたくなかったし、夢なら覚めて欲しかった。
(EZ)
19 オカルト
考え込むマサオの耳に、何やら奇妙な音が聞こえて来た。
どうやらキッチンの方から聞こえるらしい“音”を確かめるために、マサオはキッチンに向かった。
途中、廊下の照明を着けようとしたが、ブレーカーが落ちているらしく、着かなかった。マサオは濡れた靴下を脱ぎまた歩き出す。
キッチンは真っ暗で、異臭が漂っていた。よく見ると台所で、誰かが何かを調理していた。
(EZ)