17 オカルト
>>16
マサオの耳には、そんなお婆さんの言葉など入る筈もなかった。
一目散に逃げようとするマサオの腕を、お婆さんの手が掴んだ。同時に猫の死体が地面に落ちビチャッ…と言う嫌な音を起てた。
お婆さんは物凄い力で腕を掴み、言った「今日は、危ないからね。お婆ちゃんの家に泊まっといで」マサオの腕はミシミシと音を起てている。
血走ったお婆さんの目に、マサオの知っているお婆さんの姿はなかった。
マサオは渾身の力で腕を振り切り、飛ぶように逃げ出した。
雨がマサオの体を叩く。お婆さんが、追ってくる気配は無かった。
(EZ)