14 オカルト
>>13
どれくらい、時間が経ったのだろうか?何時の間にか寝ていたマサオが目を醒ますと、辺りは薄暗い夕暮れになっていた。
眠っている間に、雨も止んだ様だった。
マサオは、縁側から下りると、何気無く花壇の方に足を運んだ。
菊の花が雨に打たれ、悲しげにしょげている。菊の花の名札を眺めていたマサオは、ふとある事に気付いた。
嫌な予感がしたマサオは、恐る恐る鞄の中から例の新聞の切り抜きを取り出した。
タケル…ハヤト…ユウヤ…タケシ…。
新聞に載っている名前が、花壇の菊の名札に書いてある…。
マサオは全身が氷つく様な寒気に襲われた。自分が重大な過ちを侵していることに、今気付いた。
早く、一刻も早く此処から逃げなければ…。そう思うマサオの頬を雨がつたった…どうやらまた降り出した様だ。
(EZ)