1 無名さん

ドライブ

私の弟は凄く幽霊の類いが苦手なんです。これは今から20年ほど前の話で、弟が免許取り立ての頃の話です。

弟『なあ兄貴!今夜運転教えてくれや』

私『ええで!お前、暗峠(東大阪と奈良の県境に跨がる峠ですが、決して飛ばせる道ではありません)』

弟『え〜っ?あっこ出るんとちゃうの?』

私『何がやねん?』

弟『いや…ゆ…幽霊』

私『んなもんおるかいや!』

私はなんとか連れ出す事に成功しました。
(P905iTV/FOMA)
2 無名さん
その晩10時過ぎ…車の量も減り始めた頃に私達は出発したのです。最初は私の運転で…

急な上り坂を上り途中で弟が

弟『なあそろそろ変わってえな』

私『ええで。ぶつけんなや』

弟『わかってんがな』

私を助手席に乗せて車は出発しました。ここで私は弟を怖がらせようと、いるはずのない道端を見て

私『あ?今の時間になんやねん?あの娘…』

弟『何や?何や?どこにおんねん?』

私『あれ?見間違いかな?すまんすまん』

弟『もうマジでやめてや』

それから5分くらいして

私『あれ?さっきの…ちょ!車止めい』

弟『どこ?どこにもおらんがな!』

私『おるやん!ほら!あの木の下!』

弟『兄貴ええかげんにせえよ!俺には見えん!』

私『ちょっと何があったか聞いてくるわ。もしなんやったら家に送ったらなあかん!こんな山ん中に置いて行かれへんからな』

弟『やめとけって!行くなって!』

私は弟の制止を振り切り、いない女の子のそばに近寄り、話すフリを始めたら後ろで…

ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ…

弟は私を置いて急発進でその場を立ち去りました…私は夜中、誰もいない暗峠を生駒山の頂上から降りて東大阪の自宅に戻ったら、あちこちに擦り傷が付いたR30が自宅前に止まっていました
(P905iTV/FOMA)