1 無名さん
思わず泣ける怖い話
ある日、愛猫が死にました。
十数年、同じ屋根の下で暮らした愛猫です。
旦那と離婚したのが四十代半ば。早くに産んだ息子は自立しました。
一人ぼっちになった私の目に止まったのは、猫。
お前も、1人かい。
そう言って家に連れて帰りました。家はアパートで、大家さんに内緒。
でも、バレて怒られたこともあったっけ。
そう、猫の名前はミィ。
私に初めて発した言葉が『ミィ』だったから。
それから十数年、
ミィは死んでしまった。
見兼ねた大家さんが、アパートの庭に埋めることを承諾してくれた。
ミィ、
今にもミィの声が聞こえてきそうな、そんな絶望感、閉塞感。
肌寒い今日は、
ミィが擦り寄ってくる、ハズだった。
でも、いない。
>>2につづく
十数年、同じ屋根の下で暮らした愛猫です。
旦那と離婚したのが四十代半ば。早くに産んだ息子は自立しました。
一人ぼっちになった私の目に止まったのは、猫。
お前も、1人かい。
そう言って家に連れて帰りました。家はアパートで、大家さんに内緒。
でも、バレて怒られたこともあったっけ。
そう、猫の名前はミィ。
私に初めて発した言葉が『ミィ』だったから。
それから十数年、
ミィは死んでしまった。
見兼ねた大家さんが、アパートの庭に埋めることを承諾してくれた。
ミィ、
今にもミィの声が聞こえてきそうな、そんな絶望感、閉塞感。
肌寒い今日は、
ミィが擦り寄ってくる、ハズだった。
でも、いない。
>>2につづく
(N702iD/FOMA)
2 無名さん
アパートに1人で帰った。今日は、泣き疲れて眠った。
深夜、物音がする。
ぼぅっとする脳を無理矢理起こし、物音のするほうに向かう。
『ミィ・・?』
いるはずのない、ミィ。
―――の死体。
いるはず、ではなく、あるはずのないミィの死体。
コタツの机の上にいた。
『・・なんで』
私は驚きませんでした。けれど、不思議でした。
ミィの体にもう一度触れる。―――冷たい。
ふさふさの毛も、湿っていて触りごこちが悪い。
深く目を閉じている、ミィ。
私は、ミィの死体を、またアパートの庭に埋めに行きました。
>>3につづく
深夜、物音がする。
ぼぅっとする脳を無理矢理起こし、物音のするほうに向かう。
『ミィ・・?』
いるはずのない、ミィ。
―――の死体。
いるはず、ではなく、あるはずのないミィの死体。
コタツの机の上にいた。
『・・なんで』
私は驚きませんでした。けれど、不思議でした。
ミィの体にもう一度触れる。―――冷たい。
ふさふさの毛も、湿っていて触りごこちが悪い。
深く目を閉じている、ミィ。
私は、ミィの死体を、またアパートの庭に埋めに行きました。
>>3につづく
(N702iD/FOMA)
3 無名さん
なぜ、埋めたはずのミィがここにいたのだろう。
と、考えた。
――でも、さっき埋めたもの。もう、此処にいるはずないわ。
と、考えた。
次の日の夜、深夜。
今日も物音がした。
その物音に起きて、物音がした方に行く―――
ミィ だ
『ひ…何…っで!?』
心臓と脳に恐怖が襲い掛かる。それとともに、イタズラかもしれない…という考えがよぎる。
ミィを埋めたのを知ってるのは大家さんだけだわ。
>>4につづく
と、考えた。
――でも、さっき埋めたもの。もう、此処にいるはずないわ。
と、考えた。
次の日の夜、深夜。
今日も物音がした。
その物音に起きて、物音がした方に行く―――
ミィ だ
『ひ…何…っで!?』
心臓と脳に恐怖が襲い掛かる。それとともに、イタズラかもしれない…という考えがよぎる。
ミィを埋めたのを知ってるのは大家さんだけだわ。
>>4につづく
(N702iD/FOMA)
4 無名さん
『え?知らないわよ』
大家に聞いた結果の一言。…でも、そんなはずはない…ミィを埋めたのを知ってるのは貴方だけ……
『大家さんっ!…もう、やめてください…っ!私、苦しいんですよ…ミィの死体を…見るのも!』
涙まじりに訴えた。
『……でもね、そのイタズラは私ではないし、愛するものの死は…乗り越えなきゃいけないのよ。』
やさしい言葉を訴える大家さん。
イタズラしたのはこの人なのだろうか…
今日の深夜も、
物音がした。
見に行くと、やはり、ミィの死体。
『いやぁあああ!誰よっ、誰なのよぉお!!!』
心底から吐き出される叫び。思いも破裂する。
大家の家に乗り込む。
激しいノックに慌ててでる大家。
『はいはいはい!なぁに?こんな時間に・・『大家さんっ…もうやめてくださいっ!貴方でしょう?貴方なら合鍵を持ってるはずよ!?いい加減にしてぇえ!!』
その場に泣き崩れた。
>>5につづく
大家に聞いた結果の一言。…でも、そんなはずはない…ミィを埋めたのを知ってるのは貴方だけ……
『大家さんっ!…もう、やめてください…っ!私、苦しいんですよ…ミィの死体を…見るのも!』
涙まじりに訴えた。
『……でもね、そのイタズラは私ではないし、愛するものの死は…乗り越えなきゃいけないのよ。』
やさしい言葉を訴える大家さん。
イタズラしたのはこの人なのだろうか…
今日の深夜も、
物音がした。
見に行くと、やはり、ミィの死体。
『いやぁあああ!誰よっ、誰なのよぉお!!!』
心底から吐き出される叫び。思いも破裂する。
大家の家に乗り込む。
激しいノックに慌ててでる大家。
『はいはいはい!なぁに?こんな時間に・・『大家さんっ…もうやめてくださいっ!貴方でしょう?貴方なら合鍵を持ってるはずよ!?いい加減にしてぇえ!!』
その場に泣き崩れた。
>>5につづく
(N702iD/FOMA)
5 無名さん
――その日は、大家に『今日は落ち着いて帰りなさい』と言われた。
ミィを、また、埋める。
何度も何度も、墓を荒らされて掘り出されて…悔しくないの?ミィ…
私が、証拠を集めて捕まえるから―――。
次の日、私は部屋にビデオカメラを仕掛けた。いつも、ミィの死体が置かれる近くに。
深夜、私は目が冴えっぱなしだった。でも、あの物音は当たり前のように、聞こえてきた。
急いで、その場にむかう。――ミィの死体はある。カメラも、バッチリ。
意を決してビデオカメラに映った映像を見た。
『―――…うそ』
カメラに映ってたのは、青白い光を放ち、歩いてるミィ。そして、いつもミィの死体がおかれてる場所に、その青白いミィは倒れこみ、"実体"となった。
言葉を失った。
後日、大家さんに謝罪と訳を話し、あのビデオを見せた。
『信じられないわね…』
大家さんも動揺しているようだった。
『私も信じられません。まさか…こんなことが…』
口を接ぐんだ私に、大家さんは優しく言いました。
『きっと、ミィは死んでも貴方のとこにいたかったのね』
…と。
それからミィは、私の部屋には現われなくなり、安らかにお墓で眠っているようです。
ミィは
誰よりも私を考えてくれたのかも知れません。
"私が1人にならないように…"――と…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓
お読みいただき、ありがとうこざいました!
この話は架空です。ただ、こんなのあったら…怖いけれど素敵ですよね(*´д`)
ミィを、また、埋める。
何度も何度も、墓を荒らされて掘り出されて…悔しくないの?ミィ…
私が、証拠を集めて捕まえるから―――。
次の日、私は部屋にビデオカメラを仕掛けた。いつも、ミィの死体が置かれる近くに。
深夜、私は目が冴えっぱなしだった。でも、あの物音は当たり前のように、聞こえてきた。
急いで、その場にむかう。――ミィの死体はある。カメラも、バッチリ。
意を決してビデオカメラに映った映像を見た。
『―――…うそ』
カメラに映ってたのは、青白い光を放ち、歩いてるミィ。そして、いつもミィの死体がおかれてる場所に、その青白いミィは倒れこみ、"実体"となった。
言葉を失った。
後日、大家さんに謝罪と訳を話し、あのビデオを見せた。
『信じられないわね…』
大家さんも動揺しているようだった。
『私も信じられません。まさか…こんなことが…』
口を接ぐんだ私に、大家さんは優しく言いました。
『きっと、ミィは死んでも貴方のとこにいたかったのね』
…と。
それからミィは、私の部屋には現われなくなり、安らかにお墓で眠っているようです。
ミィは
誰よりも私を考えてくれたのかも知れません。
"私が1人にならないように…"――と…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓
お読みいただき、ありがとうこざいました!
この話は架空です。ただ、こんなのあったら…怖いけれど素敵ですよね(*´д`)
(N702iD/FOMA)
人を引きこむ文章力を
持ってるよ。
飼い主が思っている事と
真実のギャップは巧い見せ方。
あとはアイデア、発想力。
ありがちな話を誰も予想
できなかった展開にすると面白いかも。
持ってるよ。
飼い主が思っている事と
真実のギャップは巧い見せ方。
あとはアイデア、発想力。
ありがちな話を誰も予想
できなかった展開にすると面白いかも。
(P901iS/FOMA)