ニヒリズム

さぁさぁ、お立ち合いお立ち合い!

動物も曲芸師も居らず…私たった一人ですが、どうぞ開幕まで今暫くお待ち下さい。フフ、そう慌てずに。

この度お話し致しますのは互いに虚無主義である、背徳の人間と愚かな悪魔のお話し。

しかし悪魔は人間に恋をしてしまいました。其れはとても甘く深く底無し沼の様で…逢う度引き摺り込まれて行く。
強く抱き締める其の腕、肩、拡い背中、色眼鏡の奥で澄んだ双眸、慈悲満ちた心。…貴方の総てを喰らい尽くしてやりたい。
そう、今更ながら悪魔は気が付いたのです。

……藤本、私はこんなにも貴方を愛してしまった
…と。


其れでは、永らく御待たせ致しました…!

さァ―…狂った御遊戯を、はじめましょう。
(i)
ニヒリズム【nihilism】
虚無主義。
─すべての事象の根底に虚無を見いだし、何物も真に存在せず、また認識もできないとする立場

して、
メフィスト・フェレス

名の由来は諸説あるが

『光を拒む者』

 人間を誘惑し悪徳へと導く悪魔─… 

…けッ、違ェねーな。

お前ェの操り人形にも成り下がるつもりもないが

ククッ…、何を企んでやがるか計り知れねーが、
…上等だ。

漆黒の翼を持つ堕天使やらと、

弥終の定め無き黄泉とやらに堕ちるのも悪くねェよ
(EZ)
【masochist】
相手から精神的、肉体的苦痛を与えられることによって性的満足を得る異常性欲。

テメェ、自分でマゾとか言っておきながら絶対ェサディストだろ。


背中の爪痕痛ッてーんだよバカヤロウ


素直じゃねーし、やたら男前で今日も胸倉掴んだきたツンツンデレ悪魔野郎は甘えてが下手クソで。


そんなお前が愛おしい聖騎士な俺も堕ちたモンだな。



此を見たお前は俺を殺しにかかるか?


──…其れとも、愉しい遊戯の始まりか。
(EZ)
ぶッ!投稿後に誤字発見。

やたら大事な所で誤字る俺。


二回目とか格好悪過ぎて笑えねェ。


ああ、椅子に座って優雅に笑う奴が居たか。
(EZ)
―…おや。
余計な文献をよく覚えいらっしゃる。さぞかし勤勉だったようだ。

試してみるが良い。悪魔に身を堕とした可愛らしい私の聖騎士よ。
『悪徳へ導く者』として貴殿方人間が常に否定する快楽へ…堕落させてあげましょう。

アッハッハッハ…!
誤字、か。益々可愛い。
しかし、何て恥ずかしい事を公言するのですか、エー、悦びますよ。マゾですから☆

フフ、其の通り、どうやら私達は甘え方がよく分からない。
なので藤本、貴方の手で御教授下さい。

殺しに掛かるとはまた物騒な。
そうですねぇ…。貴方が他に目移りしない様息の根を止めるのも又一興ですが、そうしたら私がつまらない。

共に躍り狂う愉しい御遊戯は、まだまだ此れからですよ。
(i)
悪徳へ導き俺を堕落させてェ、ってか?

──…ンなもん今更だろ

そんなモンが怖くて祓魔師が務まるかよ。
生憎、悪魔を払うのが役目なもんでな。


ご教授下さいだァ?知るかよ。


俺達は虚無主義。
そうだろ?

指教を請う、
お前は其れこそ、操り人形に成り下がるつもりか?

掴み所のねえ 其の儘のテメーを愛でてんだよ


腐っても聖騎士。
黄泉だろうが地獄の最下層に行こうが構わねーが

テメーの用意したシナリオに陥溺するつもりはねえ


なァ、メフィスト。
テメー俺の使い魔になっちまえよ

此の上なく愉楽と歪曲に織り交ざったテメーの其のツラを拝見させて貰おうか。
(EZ)
ハッハッハ!此の私が操り人形に成り下がる?とんだ勘違いだ!
知っての通り、其の様な気は毛頭御座いません。
御教授頂けないので?相変わらず非情な御方だ。

畏まりました。其れでは変わらずの放蕩者だが、貴方がそう仰ったのです。今更スタンスを変えるつもりはないですよ。
そうだ。それに、漸く貴方と快楽を覗く事が出来光栄です。

さァて、藤本。
私を使い魔にしたいと云っていたな。使い魔とするのなら、其の代償に貴方の命を私のものとしていただこうか。其れでも、宜しいので?

フフ、腐っても悪魔。
藤本が望むのであれば黄泉だろうが地獄の最下層だろうが何処にでもお連れしましょう。貴方と行けるのなら私は何処だろうと、共に。
(i)
この世で契約を結び贖いの代償として俺の命ねェ

あの世での服従が目的か?
魂を喰らう堕天使って、か──…

主に仕えし者として、天上の序曲を謳い薔薇の花弁を撒いて戯曲を抗う事も出来るが今更、天に召される気も無ェしなァ。

…いいぜ、メフィスト。くれてやるよ。

其の代わり、テメェの心の臓は俺のモンだ。

鷲掴みにして、何れは俺しか見れねェように息の根を留めてやろうか。

さァて…

─…ほんじゃ契約、しちまおうか?

光を拒む者む漆黒の翼を背中に持つ天使さんよ。
(EZ)
近い未来貴方を服従させるだとか、その様な小難しい事は考えて居りません。只単純に、何処までも貴方と一緒に居たいだけ…。
クク―…此のような事をペラペラ吐き出すとは、私もどうしてしまったものか……。
今、自分でもかなり驚いて居ます。藤本は調子を狂わす事がお得意ですな。流石は吃驚箱。

翼は在っても其れは漆黒。そう、悪魔は悪魔。宜しいのですか?私で。後悔、しませんか?
藤本がそう云うのであれば…不束者ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
おや?何です其の顔は。日本では嫁ぐ際こう云うのだと文献に在りましたが。


さあて、

今後、使い魔である私の心臓は藤本のもの。しかし、藤本の魂は私のもの……宜しいのですね?


契約は為されました!

それでは共に、

―……良い旅を。


アインス


ツヴァイ


ドライ☆
(i)
──…たっく、よ


テメェで『物語』は終止符を打った筈だったのになァ?


物語の外伝、始めちまうか。


嫁ぐの意味分かってんのかよ。恥ずかしいヤツだな本当

─…フン、後悔?何だそれ。


後悔しても、いいさ。

俺は成し遂げて後悔出来るなら。
何も遣らないよりは

お前を此の手に。


お前にはちゃんと言ってなかったなァ。


誓詞奏上、


俺、藤本獅郎は、
悪魔、メフィスト・フェレスを使い魔とし


良き時も悪き時も


富める時も貧しき時も


病める時も健やかなる時も


共に歩み、他の者に依らず


死が二人を分かつまで、愛を誓い、お前を想い、添うことを


神聖なる婚姻の契約の誓いのもとに。


否、死して尚…魂はお前の下に。


──…なァ、メフィスト。肉体が死を直面した時。俺の魂に鎮魂曲【requiem】を謳ってくれるか?
(EZ)
外伝を始めるとは…。
また性懲りも無く貴方と言う人は。


嫁ぐと言う意味位私でも知っていますとも。添い遂げると言う解釈で、宜しいかな?

―…て。ちょっ、藤本!?何を勝手に恥ずかしい誓いを立てて居るのですか!貴方の方が私の数百倍は恥ずかしい!

…全く、バカなひとだ。


誓いを立てるのは主では無く、悪魔…ですよ?自ら悪魔に誓いを立てる人間を私は知りません。本当に物好き。


肉体が滅びた時、なんて…考えたくもありませんな。
しかし其の様な出来事に直面したら、鎮魂曲でも何でも捧げましょう。契約を成した私の心臓だって差し上げますよ。


しかし、貴方の魂は私のもの。
獅郎を縛り付けて手放す気は残念ながら、毛頭御座いません。


そう。もうお気付きかな?
私は悪魔。
酷く、狡いのですよ。
(i)
規約通り、3page過ぎたから上げさせて貰うぞ。

…記事が上がってるのを見てお前は嘸かし吃驚するんじゃねェか?

寧ろ醜態で度肝抜かれたか?

…なァ、たまには簡潔に想いを馳せていいよな。


…ハァ、未来を繋ぐ言葉は好きじゃなかったんだけどなァ?


『ずっと』


俺をお前の傍に居いといちゃくれねェだろうか。


テメェが好きだ。

此の上無く、素直じゃねーし、毒舌だし、ハッキリ物云いやがって俺の心は悪魔に支配されて今にも潰れそうだ。


本当、可愛気無ェヤツだよ。お前。


其れでもよ。


メフィスト、愛してる。


…ハァアアアン?聞こえなかっただァ?
テ、テメェ、二度と言わねーから耳かっぽじってよーく聞け。


──…愛してんだつってんだよ、バカヤロウ。
(EZ)
諸君、愉しんで頂けただろうか。

静かに背徳の神父と愚かな悪魔の夢物語は終幕を迎えましょう。

辿り着いた先は二本の分かれ道。さて、撰んだ先は幸か不幸かはたまた想像も着かぬ別の何かか。今、ふと歩み止めてみよう。おっと、決して振り返っては為りません、危ない方だ。…そう、待ち受けて居るものが何であろうと、隣で手を繋ぐ者の手を離してはいけない。お判りかな?

『ずっと』此の契約は既に解かれました。代償は互いに痛い程受け身に沁みている。後悔は止まない。ですが、後悔すら受け止め生きよう。貴方を想う気持ちは此処に埋め、彼を思う気持ちは祈りと変えましょう。さあ、再び契約を結ぶのです。しかし次は決して破らない事、良いかな?
【決して振り返りはしない】最後の契約を守ること。ふ、ハハハハ!私が一番に破ってしまいそうだ。

愉しい御遊戯は此れにて終演


新たな契約は、為されました


それでは互いに…

―――良い旅を。


アインス


ツヴァイ


ドライ


(i)