1 志摩廉造

かわええあの子。

かいらし過ぎて思わず頬が緩んでまうのは、しゃあないよなぁ。
毎日夜遅くまで言葉を交わすのが日課になっとって、起きたら御早うっちゅー言葉を聞けて。

幸せや、とか思うたり。

面と向かっては言えへんけど、何時か__の気持ちが向いたら、俺の恋人になって貰わしまへんやろか。

ブラコンの域を越えてしもたらアカン?なんて。

好きやで、__。
(EZ)
同じ場所で同じ相手にラブレターとか。
なあ、悪いけどソイツ俺のモンやから。

せやし邪魔すんな。
(EZ)
こんな時、柔兄やったらどないするんやろ。
男らしく面と向かって云わはるか、大人らしく何も気にせんと知らんフリをするか。

恋人が居るて、ホンマにちゃんと云うてくれとんのかさえ分からへん。
お前にも其の__にも、物申したい。…いや、ちゃうな。

俺が云いたいんは、

頼むから、俺からソイツ取らんといて。

っちゅー事だけ。
(EZ)
嘘吐き、は何で、嘘を吐くと書くんやろか。

口に出して云う、やから意味合いとしては正しいんやろうけど、はく、やとまるで本人が不本意に嘘をついとるみたいや。


拒絶反応を起こすと、自分の体内にとって害悪なものを吐き出すっちゅーのが人間の本能やけども。この考えやと嘘吐きの癖に嘘を吐く事によって自分自身を救おうとしている様で、

どうしようもなく憐れっぽくて好きや。

俺は、何度納得したフリをすればええ?

求められた訳やない。
悪いんは卑屈な考えしか出来ひん俺。

あの__みたいに、素直に気持ちを伝えられたら少しは変わるんやろか。

口に土、そら吐き出したくもなるわな。

柄にも無く、排出される塩分がじわじわと目許を傷めていく。
(EZ)
お前は愛らしい。
お前に逢いたい。
お前を哀してる。

俺を見付けてや。
(EZ)
…は、変に焦っとった。
可愛がられようと必死になっとる事に気ィ付かんかったわ。

慣れとる、て。

アカン、こんな何気無い一言で一々ショック受けるなんてどうかしとるな。
(EZ)
いとし、いとしと、いうこころ。
戀って、ホンマよう出来とる漢字やと思う。何で恋になってもうたんやろ。恋も嫌いやないけど、私的に戀の方が好きや。

―…‥好きやで。
誰にも渡さへん。

お前には云わんけど、__とは切ってまえよ。ホンマ不快やわ。

お前は俺のモンやろ、なァ?
お前に想いを綴ってええのは俺だけや。
(EZ)
恋人っちゅー関係より、きっと。…いや、絶対。
友人関係の方が、絆は強いんやろうな。

幸せで、脆くも儚い俺らの関係が何時迄もずっと続けばええ。

…続けば、ええのに。
(EZ)
身に付いた口癖は「ゴメンナサイ、スミマセン」の言葉。

最近は何もしてんにも関わらず疲れる。気怠くてしゃあない。

お前が居らんかったら今頃俺は色々な事に耐えきれんで発狂しとったかもなァ。誇張やのうて、ホンマに。

嘘で創り上げられた俺の世界に、お前との真実は幾つ有るんやろ。

…しっかし、最近外に出ると肌寒さを感じるわ。
おいド阿呆。夜空、見てみ。

月が、綺麗ですね。

ベタ?知らんわそんなん。
(EZ)